ちょっと一息〜健康コラム
ちょっと一息〜健康コラム
文書作成日:2023/04/05


 なんとなく体調が悪い、身体が重い、気持ちが沈むなど、原因がつかみにくい不調には、食べ物が影響していることがあります。そのため、海外ではグルテンフリー、カゼインフリー、カフェインフリー、シュガーフリーなどの特定のものを除去した食べ物も充実しています。今回は、乳製品に多く含まれるカゼインについて取り上げ、その影響について探ります。

 カゼインは、牛乳やチーズなどに含まれるリンタンパクの一種です。牛乳に含まれるタンパク質の80%がカゼインで占められ、これが牛乳アレルギーの原因とも考えられています。カゼインは耐熱性があり、加熱してもほとんど変化しないため、調理後もアレルギーの起こりやすさは変わりません。

 乳製品に含まれるカゼインを頻繁に摂っていると、未消化のまま腸内に送りこまれ、腸の炎症を招いてしまうことがあります。腸粘膜に負担がかかるとバリアが壊れ、腸に穴が開く「リーキーガット症候群」になりやすいとされています。この病気にかかると、頭痛、発熱、肌荒れ、不眠など、全身にさまざまな症状が出やすくなります。

 「リーキーガット症候群」の重症度を測るには、遅延型フードアレルギーの検査が有効だとされています。世界的なテニスプレーヤーのジョコビッチ選手が、グルテン(小麦に含まれる)の遅延型フードアレルギーであることがわかり、食事改善して成績を大きく伸ばしたことは有名な話です。牛乳やチーズなどの乳製品に含まれるカゼインも、遅延型フードアレルギーになりやすい食品のひとつ。遅延型フードアレルギーは、特定の食品を食べてから、半日から翌日に不調を感じます。症状が出るまでの時間が長く、症状も便秘、だるさ、めまい、腹痛など多岐に渡っているため、アレルギー食品が特定しにくいのです。

 カゼインを取り除くには、牛乳をはじめ、チーズ、ヨーグルト、バターなどの乳製品を摂らないことが基本となります。これだけでも、かなり効果は見込めますが、もっと厳密に行う場合は牛乳やバターを材料とするパンやお菓子などを控えてみましょう。牛乳の代替品としては、豆乳、アーモンドミルクなどを利用することもできます。なお、加工食品に表示されている「乳化剤」「乳酸菌」「乳酸カルシウム」などは、乳製品と勘違いしやすいものの、牛乳とは関係ありません。

 現在、思い当たるような不調がない場合は、無理に乳製品を除去する必要はありません。乳製品は美味しく栄養価の高い食品として、食事の質を上げてくれます。ただ、健康のために摂っている乳製品が、実は不調の原因になっている人もいます。原因不明の体調不良が続く場合は、試しに乳製品を除去し、様子をみてはいかがでしょうか。

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